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お正月の読書にミステリー、またはハードボイルドの名作と言われるこの作品を選んでみた。1963年に発表されているので、今では古典の部類に入るだろう。
主人公は私立探偵のリュウ・アーチャー。依頼人は青年アレックス・キンケイド。「私立探偵」と「依頼人」がいてこそ正統派のミステリーは成立する。そういえば、「私立」探偵ってへんな言葉ですけどね。アーチャーはアレックスの親くらいの年齢である。そして孤独の影がつきまとう。これはハードボイルドのお約束だ。こんなふうにきちんと約束事を踏まえた作品を読むのは、なんだか快感である。 アレックスは数日前に結婚したばかりの妻が失踪して、途方に暮れている。若い妻は意外な場所でまもなく見つかるが、小さな失踪事件は殺人事件に発展し、この殺人事件は年月を置いて発生していた過去の2つの事件につながっていく。 話はパシフィックポイントという海辺の町(たぶんロスアンゼルスの近く)で始まり、リノ(ネバダ州らしい)、ブリッジトン(イリノイ州シカゴの南)というまったく違った3つの場所を舞台にする。アメリカ合衆国の地理に疎くて残念だけど、ロス・マクドナルドの筆のなせる技か、それぞれの地名からはそこはかとなく町の記憶というか暗い気配のようなものが立ち上ってくる。 ミステリーはシロウトなので、いつもストーリー展開と結末には驚かされる。今回も例外ではなかった。 「蜘蛛の濡れた足のようなものがわたしのうなじを走り、一瞬、髪の毛が逆立った。」 題名の「さむけ」(The Chill)に由来するぞっとする結末が待っているというわけ。
by perdida
| 2007-01-06 16:12
| 時々ミステリー
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